看護師の転職事情には、病院やクリニック、社会福祉施設といった転職先による違いだけでなく、地方と都市部といった地域的な違いも見られます。 例えば、給与に関しては、都市部は全体的に高いのに対し、地方では低く抑えられています。近隣県でも差があるため、隣接県が通勤圏であるのならば比較してみるとよいでしょう。 また、以前であれば、地方は都市部と比較すると看護師の数に余裕があり、仕事も余裕を持ってすることができていたのですが、ある時点から都市部と地方で逆転が起こり、現在では条件のよい職場が都市部に集中し、地方での仕事が激務になってきているという問題が起こっています。 そのある時点とは、診療報酬改定で7:1入院基本料が新設された2006年前後のことで、その導入を巡って看護師の集中が起こり、偏りが生じることとなったのです。 と言うのも、もともと都市部には医療機関が多く、給与水準も高いため、看護師の集中は見られていたのですが、7:1入院基本料の新設が決まった直後から、都市部の大病院や有名私立病院が、高い水準の入院基本料を維持するために看護師の大量採用を行ったり、地方から引き抜きを行ったりしたからです。 結局、そのあおりで看護師を確保しそこなった地方の公立病院や中小の私立病院は、たくさんの看護師を必要とする診療科を閉鎖し、その分の看護師を他科に回す事で診療を続けたり、3交代で行っていた業務を2交代で行ったりして乗り切ることを考えました。ですから、今でもその名残で、看護師不足の状態が続いたり、残った看護師に仕事が集中して激務を強いられたりしている病院が地方を中心に存在します。 そうなると、看護の質を落としたくないと考える看護師や、激務に耐えかねた看護師が、余裕を持って働くことのできる都市部の大病院や有名私立病院を選び転職してしまうため、更に大都市の大病院や有名私立病院にだけ看護師が集中することになり、地方やその他の中小私立病院などではますます慢性的な看護師不足に陥ってしまうのです。 ですから、このような偏りを考慮に入れた上で、元々受け皿の多い都市部にある中小私立病院や、看護師不足に困っている地方の公立病院などにターゲットを絞って求人を探すとスムーズに転職先が決まりやすいかもしれません。 しかし、わざわざ条件の悪いところで激務を強いられる必要はないのですから、きちんと事前に条件などを交渉し、無理のない状態で就職を決めるべきでしょう。
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